牛久沼といえば「うな丼発祥の地」として知られていますが、その歴史や文化だけではなく、実は「巨大なうなぎ」が潜んでいるという噂があることをご存知でしょうか?
この記事を読むことで、牛久沼に伝わるうな丼の起源や、地域に根付く鰻文化の詳細、さらにその「巨大うなぎ」の正体についても理解できます。
さらに牛久沼のある龍ヶ崎市ならではのユニークなうなぎの楽しみ方をオリジナルマップで紹介しますので、次回の牛久沼・龍ヶ崎訪問がより特別なものになるはずです。
牛久沼・龍ヶ崎のうなぎ屋巡り:牛久沼とうなぎの関係
うな丼発祥の地としての牛久沼
うな丼は、みんなに愛される日本の伝統料理です。
うなぎの蒲焼きは室町時代から食べられていましたが、当時は蒲焼が大皿に盛られて提供されていました。オン・ザ・ライスのうな丼スタイルが広まったのは江戸時代後半のことです。
そのうな丼ですが、実は龍ヶ崎市の牛久沼が発祥の地として知られており、牛久沼の新鮮なうなぎが江戸へ運ばれ、広く親しまれるようになりました。
この背景には、大久保今助という人物のエピソードが深く関わっています。
大久保今助のエピソード
大久保今助は江戸時代後期に活躍した人物で、彼が牛久沼で初めてうな丼を食べたことが、この料理の発祥に深く関係しています。
伝説によれば、今助は牛久沼の渡し船を待つ間、茶店でうなぎの蒲焼きと丼ぶりメシを注文しました。しかし料理が出てきた時、船頭から渡し船の出航を告げられてしまったとか。
大急ぎで食べなければならなくなった今助は、熱々の丼ぶりメシにうなぎの蒲焼きをのせて食べたところ、これが非常に美味であったことから、うな丼という料理が広まったとされています。
日本食は本来ご飯と汁物、おかずを別々に配膳するのが正しい形式なので、丼物ニューの誕生秘話は「急いでいたので仕方なく」系が多いよね。
確かカツカレーの誕生秘話も「急いでいた」系でしたよね。大久保今助のエピソードはこちらのサイトで詳しく紹介されています。
うな丼が広まった経緯
うな丼が広まった経緯についてはいくつかの説があります。
一つは、今助が牛久沼の茶屋にうな丼のことを伝え、茶屋の名物となったという説。
もう一つは、今助が江戸の芝居小屋で自ら売り出し、この際に芝居を見ながらでも食べやすいよう重箱に詰めたうな重にアップデートしたという説です。
いずれにしても、大久保今助が生み出したなうな丼・うな重は江戸で瞬く間に評判となり、やがて全国に広まっていきました。
牛久沼・龍ヶ崎でうなぎを味わう(龍ヶ崎市内のうなぎ屋巡り)
牛久沼周辺エリアの店舗
うな丼発祥の地として名高い龍ヶ崎市の牛久沼周辺には、多くの老舗うなぎ店が集まっています。
特に国道6号線沿いには、桑名屋、伊勢屋、鶴舞家、山水閣といった名店が軒を連ね、「うなぎ街道」とも呼ばれています。
これらの店は長年にわたって味を競い合いながら、関東近県からの客を惹きつけ続けています。
- 桑名屋
- 住所:龍ケ崎市佐貫町3669
特徴:美味しいうなぎを手頃な価格で楽しめる人気店。開店前から行列ができることもあるので時間には余裕を持って。
- 伊勢屋(臨時休業中)
- 住所:龍ケ崎市稗柄町125
特徴:明治35年創業の老舗。牛久沼のほとりに佇み、その絶景を楽しめると評判でしたが、現在は臨時休業中です。
- 鶴舞屋(公式HP)
- 住所:龍ケ崎市庄兵衛新田町282-12
特徴:備長炭で丁寧に焼き上げたうなぎを牛久沼ビューで楽しめます。晴れた日には富士山が見えることも。
- 山水閣(公式HP)
- 住所:龍ケ崎市庄兵衛新田282-40
特徴:会席料理とうなぎの店。脂の乗った国産うなぎを牛久沼ビューで楽しめます。富士山チャンス有り。
- 岬食堂
- 住所:つくば市泊崎42-3
特徴:牛久沼対岸、東西谷田川に挟まれた岬先端にあるローカル食堂。本格うなぎをお手頃価格で楽しめる人気店です。
- 大はし(公式HP)
- 住所:つくば市泊崎209-3
魚の卸業から始まり、今では”とろける食感”と評判のうな重や白焼きで多くのファンを魅了しています。
龍ヶ崎エリアの店舗
牛久沼周辺以外にも龍ヶ崎市には多くのうなぎ料理店があり、これらの店では手頃な価格で本格的な鰻料理を楽しむことができ、地元の人々だけでなく観光客にも人気があります。
うなぎは輸送コストが高いため、産地である龍ヶ崎市で食べることで、より新鮮で美味しいうなぎを手軽に味わうことができます。
- うなぎ いしがみ
- 住所:龍ケ崎市寺後4150
特徴:路地裏の隠れた名店。勇気を出して入店に成功すれば、リピーターで賑わう最高の味とコスパが待っています。
- 川魚料理 なか川
- 住所:龍ケ崎市入地町206-4
特徴:県道5号線沿いにある川魚料理の名店。営業時間がかなり短いため、タイミングを合わせるのがちょっと大変。
- 鰻の成瀬 龍ヶ崎ぬく森通り店(HP)
- 住所:龍ケ崎市藤ケ丘5-15-7
特徴:全国展開の「鰻の成瀬」が龍ヶ崎に進出。栄養豊富なうなぎをリーズナブルに楽しめます。
え?鰻の成瀬ってチェーン店じゃないの?って思った方、こちらのサイトで口コミ情報を詳細に分析していますので、ぜひご覧ください。
牛久沼・龍ヶ崎エリアでうなぎを食べる際の注意点
牛久沼・龍ヶ崎エリアにおけるうなぎ店の価格帯は、うな重(並)が2,000円台前半から3,000円台後半までと、店によって幅があります。
どのお店も人気が高いですが、特に価格が安い店は混雑しやすい傾向があります。
休日の昼過ぎで店内は満席。うな丼を注文しましたが出来上がりまでに1時間かかるとのことだったので、仕方なくラーメンを食べて帰りました。
駐車場待ちの大行列に並ぶところから始まって、うな重に対面するまで1時間以上かかったわ。でもお味は最高!待った甲斐がありました。
うなぎは注文から提供まで時間がかかるため、休日には入店から退店までに2時間以上かかるケースもあります。うなぎを食べるだけで日が暮れてしまうので、観光で訪れる場合は注意が必要です。
もし安くて美味しいうなぎを楽しみたいなら、北印旛沼のうなぎ街道を検討してみてはいかがでしょうか。鉄道駅から離れているため比較的空いており、車で訪れる方には特におすすめです。
特に印旛沼漁協水産センターは、うなぎの養殖事業を行っている印旛沼漁協が運営している店舗ですので信頼性もお味も抜群。美味しいウナギがお手軽に食べられるので足を延ばす価値ありです。
- 印旛沼漁協 水産センター(公式HP)
- 住所:成田市北須賀1622-2
電話:0476-26-9906
特徴:店舗裏にはうなぎ養殖場があり、新鮮さは国内随一。
牛久沼から北印旛沼までは車で40分程度。駐車場待ちをするくらいなら、北印旛沼へ向かった方が吉と出るかも。混雑状況などはお店に確認してくださいね。
印旛沼のうなぎ街道が気になる方は、こちらの記事を読んでみてください。
牛久沼・龍ヶ崎のうなぎ屋巡り:巨大うなぎ伝説に迫る
さて、ここから先はちょっと「どうでもいい話」をします。
注文したうな丼がお席に届くまでの待ち時間にでも、暇つぶしに読んでみてください。
龍ヶ崎市には巨大うなぎが現在も潜んでいる!?
牛久沼(龍ヶ崎市)といえばうな丼発祥の地として有名ですが、実はそれだけではありません。なんとこの地には、なんと巨大うなぎが現在も潜んでいます。その大きさはなんと、長さが約2.8km。
そんなバカな!と思ったアナタ、なんとその姿をGoogleマップで確認することができます。
こちらをご覧ください。
分かりますかね?うなぎ屋さんの看板でよく見かける「う」の形をした沼が、なんと龍ヶ崎市に存在するんです。
この「ウナギ形の沼」、実は小貝川が形成した三日月湖です。
小貝川には多くの三日月湖がありますが、この湖は特にうなぎの形に似ている点が特徴です。さらに、偶然にもうなぎの名産地である龍ヶ崎市に位置しているというのが、非常に興味深いですよね。
ウナギ形の沼とは?
このうなぎ形の沼ですが、正式名称は「道仙田(どうせんだ)」といいます。
しかしこの記事では親しみを込めて「うなぎ沼」と呼ばせていただきます。この沼は龍ヶ崎市の水田地帯に広がっており、地域農業の利水に活用されています。
うなぎ沼のビュースポット
うなぎ沼の周囲には、美しい景観を楽しむスポットが点在しています。
VIEW SPOT(1) ふるさとふれあい公園内の橋(ふれあい橋)
うなぎ沼の東岸にある「ふるさとふれあい公園」駐車場から、西岸の公園エリアへ渡る橋は、安心して沼の美しい景色を楽しむことができる絶好のスポットです。
VIEW SPOT(2) 沖須橋付近
県道208号線にかかる沖須橋からの眺めは、北側に広がる緑豊かな自然と、南側に広がる太陽の光を受けてキラキラと輝く水面、この二つの異なる景色を楽しむことができます。
VIEW SPOT(3) 高須町の橋
沼の南半分では沼を直接見られる場所が限られていますが、高須町にある橋はその貴重なスポットの一つです。ただしこの橋は幅が狭く車両も通行するため、見学の際は注意が必要です。
VIEW SPOT(4) 小貝川の堤防上
小貝川の堤防上、うなぎ沼を高所から眺めることができる絶好のスポットです。また小貝川とうなぎ沼の両方を一度に見渡せるため、この場所が三日月湖であることを実感できます。
ふるさとふれあい公園
ふるさとふれあい公園は、うなぎ沼の畔にある自然豊かな公園です。広々とした芝生広場が広がり、野球やサッカー、その他様々なスポーツが楽しめる広場に、バーベキューエリアも完備されています。
また屋内には陶芸や絵画などの創作活動ができるアトリエもあり、子供から大人まで楽しめるスポットです。特に、家族連れやグループでのピクニックやアウトドア活動に最適な場所です。
今回はこの「ふるさとふれあい公園」で、大久保今助の「うな丼発祥の地体験」を楽しんでみましょう。詳細については記事の後半でご紹介します。
「う」の点の部分
この三日月湖がうなぎの形に見える最大の要因とも言える「う」の点の部分に行ってみましょう。ここは名もなき小さな溜池のようです。
この池は周囲の水田と用水路で繋がっており、灌漑の一部として機能しているようです。池の周囲には放置された水道管の余りが見られ、かつて利水工事が行われたことを示しています。
さらに、この池とうなぎ沼が地下で繋がっている可能性も考えられ、この地域の灌漑システムの重要な役割を担っていると推測されます。
中沼
中沼はうなぎ沼のわずか南側に位置する沼で、ヘラ釣りの名所として知られています。通りから自動車で直接沼畔までアクセスできるため、遅い時間でも多くの釣り人が訪れています。
龍ヶ崎市が管理しているようですが、口コミではマナーの悪い釣り人による環境への影響を心配する声も多くあります。この沼も農業用に活用されているため、環境への配慮が求められています。
牛久沼・龍ヶ崎のうなぎ屋巡り:大久保今助スタイルで楽しむ
自分だけのうな丼を作る!沼ビューでの贅沢な体験
龍ヶ崎市の魅力は、ただうなぎ屋で食事をするだけでは終わりません。大久保今助がうな丼を初めて食べたスタイルを現代に再現し、自分だけのうな丼を作ってみましょう。
そして、そのうな丼を特別な場所で楽しむことで、龍ヶ崎市ならではの贅沢な体験ができます。それが、この「うなぎ沼を眺めながらのうな丼」です。
この食事はここ龍ヶ崎市でしか味わえない、特別な体験です。
食材の調達
大久保今助は牛久沼の渡し船乗り場付近の茶屋でうなぎの蒲焼と丼ぶりメシを調達しています。現在はもうその渡し船も茶屋も存在しないので、うなぎ沼周辺で食材を調達します。
うなぎ沼は龍ヶ崎市街地からも近いため、食材の調達は比較的容易です。今回はうなぎ沼に最も近いスーパーマーケット「タイヨー龍ヶ崎店」を利用しました。
地元産の蒲焼はありませんでしたが、なんと割引シールの貼られた蒲焼をゲット。お値段は脅威の安さ、税込430円でした。
続いて丼ぶりメシです。こちらはなんと炊き立ての千葉県産多古米をゲット。お値段は大盛りで税込120円、これで2杯分作れるでしょう。
ということで、材料費は一杯あたり驚愕の税込490円です。
それでは調達した食材を持って、最高の沼ビュースポットへ向かいましょう。
大久保今助スタイルでオン・ザ・ライス
最高の沼ビュースポットに到着したら、調理を開始します。と言っても、蒲焼を丼ぶりメシにのせるだけ、これが大久保今助スタイルです。
しかしスーパーで買った白米の容器に蒲焼をのせるだけでは味気ないので、使い捨てタイプの丼を100円ショップなどで事前に購入しておくと良いでしょう。
沼を見ながらの食事の楽しさ
うな丼が完成したら、次はうなぎ沼へ向かいましょう。沼のほとりに立ち、その形を眺めながらうな丼を楽しむひとときは、まさに龍ヶ崎市ならではの贅沢な食事です。
沼の静かな水面に映る空や緑を眺めながら、口に運ぶうな丼の味わいは格別。自然の中で歴史と風景を味わうこの瞬間は、心に残る特別な思い出になることでしょう。
そのうなぎ中国産だろーってツッコミが入りそうですけどね。。
世界第2位の経済大国で、世界有数の超大国である中国で生産されたうなぎが、こんなお手頃価格で食べられるってことだよ?
確かに2人分で税込980円で沼ビューまで付いて、お得度は満点でしたね。
ちょっとした工夫
今回の大久保今助スタイルのうな丼体験に向けて、沼探ではちょっとした工夫をしました。それは本物の丼重を用意したことです。
丼重はプラスチック製なので軽く、持ち運びにも便利で割れる心配もないため、探索先でセルフ丼体験をする際にはピッタリです。
さらにこの丼重は少し小さめのサイズ(縦10cm×横12cm×深さ5cm)で、少量の蒲焼きでも見栄え良く仕上げることができます。
丼重と蒲焼の隙間からご飯が見えてしまう心配もなく、美味しさを一層引き立てます。
もしこの商品が気になる方は、以下のAmazonまたは楽天市場のリンクからご購入頂けます。(もちろん、丼重だけですけどね)
サイズ感は女性用のお弁当箱より少し大きい程度なので、大食い男性は2〜3個持ち歩いた方がいいですね。
牛久沼・龍ヶ崎のうなぎ屋巡り:うなぎ沼へのアクセス
うなぎ沼は関東鉄道竜ヶ崎線の竜ヶ崎駅から約2kmの距離に位置しており、主要な県道も近くを通っています。
また沼畔にある、ふるさとふれあい公園には無料駐車場が完備されているため、車でのアクセスも非常に便利です。
公共交通機関を利用する場合も、車で行く場合も、まずは「ふるさとふれあい公園」を目指すと良いでしょう。
ふるさとふれあい公園へのアクセス
自動車の場合
東京から向かう場合、常磐自動車道を谷和原IC出口で下り、国道294号線と県道251号線、県道208号線を通って向かいます、都心からの所要時間は1時間程度です。
カーナビの目的地は以下で設定しましょう。
- 龍ヶ崎市ふるさとふれあい公園
- 住所:龍ヶ崎市ふるさとふれあい公園
電話:0297-62-7628
種類:公園
駐車:無料駐車場あり
公共交通機関の場合
関東鉄道竜ヶ崎線の竜ヶ崎駅からは、龍ヶ崎市コミュニティバス「06佐貫・河原代線」に乗り、「総合福祉センター」バス停で下車します。
ただしバスの本数は少ないため、事前に時刻表を確認しておくことが重要です。
徒歩の場合、距離は約2kmで、所要時間はおよそ30分です。歩道が整備された道がほとんどですが、暑さや寒さ、時間帯によっては十分な準備が必要です。
関東鉄道竜ヶ崎線の魅力
竜ヶ崎駅へのアクセスには、関東鉄道竜ヶ崎線が便利です。
このローカル鉄道は、歴史を感じさせる古き良き雰囲気が魅力で、ゆったりとした時間が流れる車内からは、龍ヶ崎の豊かな自然を楽しむことができます。
鉄道自体も地元の人々に愛されており、温かみのあるローカル線ならではの旅情が味わえます。ちょっとしたノスタルジーを感じながら、龍ヶ崎への旅を楽しんでみてください。
龍ヶ崎のややこしい補足
なお、少しややこしいのですが、関東鉄道「竜ヶ崎線」は常磐線「龍ヶ崎市駅」と関東鉄道「竜ヶ崎駅」を結ぶローカル鉄道です。
ただし、常磐線「龍ヶ崎市駅」と接続している関東鉄道「竜ヶ崎線」の駅名は「佐貫駅」です。常磐線「龍ヶ崎市駅」も以前は「佐貫駅」でしたが、2020年に駅名が変わりました。
ちなみに「龍ヶ崎市役所」の最寄駅は「竜ヶ崎駅」です。この記事でも登場した牛久沼は、その全域が龍ヶ崎市に位置し、牛久市には位置しません。
このカオスっぷりがたまらない。
もう目が回ってきました。。
まとめ
牛久沼はうな丼発祥の地としての歴史や、「うなぎ沼(正式名称は道仙田)」など、他では味わえない魅力を持つ場所です。
また関東鉄道竜ヶ崎線を使って昔ながらの風情を感じながら訪れる旅は、特別な思い出になるでしょう。
さらに自分だけのうな丼を作って、うなぎ沼を眺めながら味わう贅沢なひとときは、牛久沼・龍ヶ崎ならではの体験です。
次の週末、ぜひ龍ヶ崎でこの特別な体験を楽しんでみてください。
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