「リスって飼っちゃダメなの?」そんな疑問を持った方に向けた記事です。
小さくてかわいい見た目からペットとして憧れる人も多いですが、実はリスの飼育はかなりハードルが高く、「飼ってはいけない」とまで言われることも。
この記事ではリスを飼う前に知っておくべき現実、法律・飼育の難しさ・後悔した人の声などを具体的に解説します。
リスと暮らす覚悟があるか、自分は本当に飼えるのか。この記事を読むことで、その判断がきっとクリアになるはずです。
リスを飼うのはやめたほうがいい?その理由とは
かわいいけれど、実はとても飼いにくい動物
リスは見た目が小さくて愛らしく、一見すると「飼いやすそう」と思われがちです。SNSでは手のひらに乗ったり、くるみをかじる姿が拡散され、憧れを抱く人も多いでしょう。
ですが実際は非常に繊細でストレスに弱く、飼育には高い難易度がともないます。臆病で音や環境の変化に敏感なため、ちょっとした物音でもパニックを起こすことがあります。
また体温調整が苦手で温度管理にも細心の注意が必要。基本的に単独行動を好むため、スキンシップを取ることも難しい動物です。
「かわいいから」という理由だけで安易に飼うと、飼い主の想像と現実とのギャップに苦しむことになるかもしれません。
懐かない・噛む・脱走する…「後悔した」声のリアル

リスを飼った人の中には「懐かない」「噛まれる」「逃げられた」といった理由で後悔したという声も少なくありません。
リスはもともと野生の本能が強く警戒心が非常に高い動物。人に慣れにくく、手で触れようとすると噛むこともあります。噛まれると小さな体のわりに意外と痛く流血するケースも。
さらに問題なのが脱走癖。一度逃げ出すと狭い隙間に入り込んだり、部屋中を飛び回ったりして捕まえるのが極めて難しくなります。
小さな子どもがいる家庭ではケガやトラブルの原因にもなりかねません。こうした“リアルな飼育の苦労”は、可愛い見た目からは想像しにくい部分です。
飼育には手間もコストも想像以上にかかる
リスを飼うには広めのケージ、回し車、砂浴び場、登り木など、野生の環境に近い飼育スペースを整える必要があります。
これだけでも初期費用がかかりますが、毎日の掃除、温度管理、食事の準備も欠かせません。エサも市販のミックスフードだけでは栄養が偏るため、新鮮な野菜や木の実などを加える必要があります。
しかもトイレの場所を覚えることは難しく、ケージ内の糞尿のにおいや掃除の頻度にも悩まされがちです。「ハムスター感覚で飼える」と思っていた人ほど、その差にショックを受けることが多いようです。
見た目と実際の飼育のギャップは想像以上に大きいのです。
リスの飼育は法律で制限されている場合もある
「特定外来生物」に指定されたリスがいる
日本では一部のリスが「特定外来生物」に指定されており、飼育そのものが法律で禁止されています。
たとえば「タイワンリス」や「タイリクリス」などは、農作物被害や生態系への影響が懸念され、防除の対象とされている動物です。
これらを無許可で飼育することは、たとえ知らなかったとしても法律違反となる可能性があります。
環境省のウェブサイトなどで、飼いたいリスの種類が規制対象でないかを事前に確認することは必須です。(参考サイトはこちら)
「見た目がリスなら大丈夫」ではなく、種類ごとに飼育の可否が異なることをしっかり認識しておく必要があります。
自治体ごとのルールや住宅事情も要注意

法律で禁止されていないリスであっても、住んでいる自治体によっては独自のルールが設けられている場合があります。
「届け出制」や「登録制」がある地域、あるいは特定の動物の飼育自体を制限している自治体も存在します。
また集合住宅や賃貸マンションなどでは、ペット禁止の規約に触れる可能性もあるため注意が必要です。
リスは小動物とはいえ、音やにおい、脱走時のリスクなどがあるため、「ペット不可」の物件での飼育はトラブルの元になります。
飼う前には法律だけでなく、地元のルールや住環境の規約にも目を通しておきましょう。
「どのリスでも飼える」は危険な思い込み
ペットショップやネットショップで販売されているリスだからといって、「全部飼ってOK」というわけではありません。
販売されている=合法とは限らず、中には法規制や届け出が必要な種類が含まれている場合もあります。
さらにSNSで人気の“リス系ペット”。たとえばフクロモモンガなど──は見た目が似ていても、まったく別の管理が必要なこともあります。
可愛い写真や動画だけを見て「簡単に飼えそう」と思い込み、必要な知識や環境を整えずに飼い始めるのは非常に危険です。
リスを飼うには、「種類によってルールも違う」という基本的なリテラシーを身につけておくことが前提になります。
「飼ってはいけない」と言われる背景には何がある?
「思ってたのと違う」で捨てられる現実
「小さくてかわいいから」「SNSで見て憧れたから」そんな軽い気持ちでリスを飼い始めた人の中には、飼育の大変さに直面し、「やっぱり無理」と手放してしまうケースが後を絶ちません。
特に脱走したリスが外で野生化し、農作物被害を出したり、生態系に影響を与える事例も出てきています。また、適切な飼育ができないまま放置されることは、動物にとっても不幸です。
「飼ってはいけない」と言われる背景には、こうした“無責任な飼い主”による飼育放棄の問題が根底にあります。リスは野生の本能が強いからこそ、ちょっとした油断が命取りになる生き物です。
動物愛護と環境保全の観点からの慎重さも必要

リスの飼育には「動物を大切にしたい」「自然に影響を与えたくない」という視点が欠かせません。
たとえ法律的に飼育が許されている種類でも、逃げて繁殖してしまえば「外来種問題」に直結することもあります。
また繁殖力の強い種類では多頭飼育崩壊のリスクも無視できません。リスは可愛い反面、「飼う責任」がとても重い動物です。
軽い気持ちで始めるには向いていないからこそ、「飼ってはいけない」という言葉が警鐘として語られるのです。
守るべきルール、守るべき命。リスを迎える前に、一度立ち止まって考えてみることが大切です。
それでもリスを飼いたい人へ、最低限知っておくこと
飼いやすい種類とそうでない種類の違い
リスにもさまざまな種類があり、性格や習性、飼育のしやすさには大きな違いがあります。
たとえばペットとして流通しているシマリスは比較的飼育しやすいとされていますが、それでも人に懐きにくく、スキンシップには向きません。
タイワンリスやタイリクリスはそもそも飼育が禁止されていることが多く、モモンガやチンチラなどリスに似た見た目の動物もまったく別の管理が必要です。
まずは「どの種類が飼えるのか」「その種類にどんな特徴があるのか」をしっかり調べるところから始めましょう。種類によっては飼育許可が必要なケースもあるため、安易な判断は禁物です。
飼う前にチェックしておきたい5つのポイント

リスを飼う前に、最低限チェックしておきたいことが5つあります。
- 毎日ケージの掃除を続けられるか?
- 噛まれても平気か?(小さい子供はいないか?)
- 脱走や騒音への対策が取れるか?
- 5〜10年という飼育期間を責任もって続けられるか?
- エキゾチックアニマルに対応した動物病院が近くにあるか?
これらのどれかひとつでも不安があるなら、一度立ち止まるべきです。
リスは“かわいいだけで飼える動物”ではありません。むしろ事前準備と覚悟を持って向き合える人だけが、リスとの暮らしを楽しめるのです。
まとめ

リスはとてもかわいらしい生き物です。つぶらな瞳、小さな体、器用な手足。
SNSで見かけるその姿に、思わず「飼ってみたい」と思うのはごく自然なことです。けれど実際にリスを飼うというのは思っているよりずっと大変で、簡単なことではありません。
懐きにくく噛まれることもある。掃除も手間がかかるし脱走されると本当に大変。そして何より、“気軽に飼って気軽にやめる”ことが許されない命であることを忘れてはいけません。
「飼ってはいけない」という言葉は、リスという生き物を否定するためではなく、むしろ大切にするためにこそ、あえて強く伝えられてきた言葉なのだと思います。
それでもリスと暮らしたいと願うのであれば、ぜひ時間をかけて学び、準備し、覚悟を持って迎えてあげてください。
リスは“かわいいだけで成立しない生き物”だからこそ、きちんと向き合えば、かけがえのないパートナーにもなり得ます。
この記事が「リスを迎えるかどうか」を真剣に考える人にとって、少しでもリアルな判断材料になれたなら嬉しいです。
編集後記

今回は「リスは飼ってはいけない?」というテーマで記事を書きました。
リスって本当に見た目が可愛くて、特にシマリスなんかはペットとして人気もありますよね。でも実は、私は子どもの頃からリスにはちょっと距離を感じていました。
というのも、私の育った場所は横浜の山の中。
あの辺って台湾リスがすごく繁殖しているんですが、あのリスたち、見た目もシマリスほど可愛くも無く、とにかく鳴き声がすごい。ゲコゲコゲコ!っていう獣的な鳴き声。正直、リスってあんまり可愛いもんじゃないな…と思ってたくらいです。
とはいえ、動物園なんかで見かける、どんぐりをかじってほっぺに詰めてる姿とかはやっぱり反則級にかわいい。気持ちはわかる。でも実際に飼うってなったら、かなり大変だろうなというのは、間近で見てるからこそ思うところです。
近所の生物園ではリスが暮らせるような立派な筒型ケージが設けられていて、それでもほとんど姿を見せないくらいの繊細さと俊敏さ。あれが自宅でゲージから脱走したら、もう捕まえるのは無理じゃないかなと思います。
だから、「リスは飼ってはいけない」という言葉には、ちょっと納得してしまうところがあるんです。かわいいからこそ慎重に。そしてペットに向いているかどうかをちゃんと考えてから決めてほしいなと思います。
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