2024年の都道府県別魅力度ランキングが発表されましが、今年は茨城県が最下位から脱出した一方で、なんと埼玉県が茨城県に抜かれ関東最下位の46位に沈んだことが話題になっています。
この結果に多くの人が疑問を抱いていますが、埼玉県はこのまま永久に関東最下位の沼へ沈んで行ってしまうのでしょうか?
実際、関東地方にはこのランキングで低位に位置する沼状態の県が多く存在しています。
関東地方は日本経済の中心でありながら、群馬・栃木・茨城も毎年ランキングの低湿地帯に沈んでいます。まさに魅力度ランキングは関東地方にとって底なし沼。
この記事では、魅力度ランキングが関東地方にとって底なし沼となっている原因を深掘りし、特に今回関東最下位に沈んだ埼玉が底なし沼から脱出できるのかについて考察します。
魅力度ランキング2024がおかしい!:ランキングの仕組み
都道府県別魅力度ランキング2024が発表され、埼玉県が最下位となったことに疑問を抱く声が多く聞かれます。
ここでは、このランキングの仕組みや評価基準を詳しく解説し、なぜこのような結果になってしまったのかを探るための前提知識をご提供します。
ランキングの評価基準:観光地の知名度と認知度が重要
都道府県別魅力度ランキングは、株式会社ブランド総合研究所(公式HP)が「地域ブランド調査」として毎年実施している日本最大規模の調査です。
この調査では全国3万人の消費者が47都道府県と1,000の市区町村を評価し、2024年で19回目を迎えます。
評価基準として特に重視されるのは「知名度」と「認知度」です。地域がどれだけメディアで取り上げられ、どれだけの人がその情報に触れる機会があるかが、ランキングに大きく影響します。
そのため、全国的に有名な観光地を持つ地域は高評価を受けやすく、一方で魅力的な観光資源を持ちながらも知られていない地域は低評価となることがあります。
知名度と魅力度の関係:なぜ知名度が重要なのか?
魅力度ランキングにおいて知名度は評価を大きく左右する要因です。なぜなら地域がどれだけ知られているかが、観光客の訪問意欲や興味に直結するからです。
魅力的な観光地や文化を持つ地域でも広く知られていなければ認識されず、ランキングで低評価を受けることが少なくありません。
毎年気になりますが、このランキングって関東7県のうち4県のランキングがあまりにも低すぎるんですよね。知名度は高いと思うんですが…
その通りです。なぜ関東4県が毎年ズタボロなのか。そして東京のベッドタウンである埼玉県がなぜ関東最下位に沈んだのかを考える必要があります。
知名度はメディアやSNSでの露出によって高まります。テレビ番組や旅行雑誌などで頻繁に取り上げられる地域は全国的に認知度が高まり、消費者の関心を引くことができます。
例えば北海道や京都などは観光地としての魅力が定期的にメディアで発信され続けているため、国内外からの観光客を集め、ランキングでも上位を維持しています。
2024年のランキングTOP3も北海道・京都府・沖縄県でした!どこも最高の観光地ですよね。
北海道=寒い。京都府=お作法が面倒臭そう。沖縄県=暑い。実際に住みたいかどうかは別として、旅行先としての絶大なブランド価値がランキングに表れています。
私北海道出身ですが、まあ確かに寒いですね。。慣れてますけど。。
魅力度ランキング2024がおかしい!:埼玉が最下位の理由
埼玉県が魅力度ランキングで関東最下位となる理由は何でしょうか。
地理的なハンデや有名観光地の少なさが影響していますが、埼玉が関東最下位に沈んでしまった理由について深掘りしていきましょう。
地理的なハンデ:都心に近いことが仇となった日常感の塊
埼玉県が魅力度ランキングで関東最下位に沈んだ要因の一つは、その地理的な特性です。埼玉県は都心に近く、日帰りで訪れることができる距離にあります。
この近さは観光地としての特別感を損なう要因となっています。人々が「非日常」を求めて観光地に出かける際、日常生活の延長にある場所は選ばれにくいのです。
秩父、川越、行田など、埼玉県には魅力的な観光地が無数にありますが、どこも交通の便が良すぎるので全て日帰りのお出かけスポットなんです。
確かに、埼玉は首都圏の人が日帰りで楽しむスポットの宝庫なので、旅行先というイメージは少ないかもしれませんね。
例えば群馬県の草津温泉や栃木県の日光は、都心からは少し距離があるため観光地として特別な存在感を持っています。
これに対して埼玉県は都心からのアクセスが良いため、観光地としての魅力が薄れてしまいがちです。観光客は日帰りで行ける近場よりも、少し遠くに足を運ぶことで特別な体験を求める傾向があります。
埼玉県は東京のベッドタウンではありますが、正確に言うと東京に通勤するために住んでいる人が多いとも考えられます。
東京目的で埼玉県に住んでいる人も多いということですね。ベッドタウンであっても、ランキングが上がるとは限らないんですね。
はい。しかし同じベッドタウンの神奈川県(5位)、千葉県(15位)のランキングが高い理由については後ほど分析します。
地理的なハンデ:東京・神奈川・ネズミの前ではほぼ無力
北関東3県(群馬・栃木・茨城)も魅力度ランキングで毎年苦戦を強いられています。その理由は埼玉県と同様に、都心からの近さという地理的な問題が影響していると考えられます。
関東地方に住む人々にとって北関東はアクセスが便利ですが、非日常感を求める観点から見ると、距離が近く都会的すぎる印象があります。
こ、これは確かに非日常感のかけらも無いですね…。なんか癒されるどころか、胃が痛くなってきました。
そうでしょう。魅力云々ではなくて、北関東3県も埼玉県も関東地方で暮らす人々にとっては「日常そのもの」なんです。
また関東地方以外に住む人にとっては、せっかく関東地方を訪れるなら東京や神奈川、ディズニーランドで遊びたいと考えるのが自然な流れでしょう。
北関東や埼玉県があまり注目されないのは、そのためだと言えます。
あと個人的な見解ですが、かつては利根川を渡るのが非常に困難だったため、利根川より北に位置する北関東3県は特に避けられていたのだと思います。
デスク、いつの時代の話してるんですか…。
観光地の少なさ:群馬・栃木・茨城との比較で埼玉が沈んだ理由
さて、では埼玉県がこの北関東3県よりも下位に沈んでしまった理由を考えてみます。
群馬県は草津温泉、栃木県は日光といった全国的に有名な観光資源を持っていますが、埼玉県にはそれに匹敵する観光地が無いのが現実です。
例えば川越の蔵造りの街並みや、秩父の自然は魅力的ではありますが、全国的な知名度においては草津温泉や日光に劣ります。
- 栃木県(39位)
- 日光東照宮や鬼怒川温泉、那須高原など多彩な観光地を有しています。特に日光市(市町村別:14位)は豊かな自然と歴史が融合した世界的な観光地です。
- 群馬県(41位)
- 草津温泉(市町村別:29位)をはじめとする多くの温泉郷、吾妻渓谷や榛名山、世界遺産に登録された富岡製糸場など、多くの観光名所が存在します。
- 茨城県(45位)
- 筑波山や霞ヶ浦などに加え、ひたち海浜公園の花々が訪れる人々を楽しませます。水戸偕楽園も人気で、水戸納豆と干し芋が全国的に有名です。
- 埼玉県(46位):関東最下位
- 歴史的な街並みが魅力の川越や、自然豊かな秩父など多彩な観光地が点在していますが、残念ながら2024年度は茨城県に敗北して関東最下位(46位)に転落。
栃木県(日光)と群馬県(草津)は分かるとして、茨城県(納豆)は埼玉県とあまり変わらないような気もしますが、逆転の理由は何だったのでしょうか?
推測ですが、圏央道の整備などで都心からの日帰りアクセスが便利になったことや、埼玉県に比べて目新しさがあること、あとは海があることですかね。
大洗町がガールズ&パンツァーの聖地になったり、YouTubeでも那珂湊漁港で食べ歩きをする動画が多数公開されてますもんね。
そうですね。日本人が好む観光地の条件は「温泉」「海の幸」「歴史的遺産」ですから、海なし県である埼玉県は苦戦を強いられます。
魅力度ランキング2024がおかしい!:東京・神奈川の強さ
魅力度ランキングで毎年高評価を受ける東京都と神奈川県。
なぜこれらの地域が高い評価を得ているのか、詳しく見ていきましょう。
東京都:全国から人を集める特別な存在
東京都は日本の首都(ということになっている)であり、全国から観光客やビジネスパーソンを引き寄せる特別な存在です。魅力度ランキングでも常に上位に位置し、その理由は多岐にわたります。
東京は歴史的な名所や文化的な施設、最新のファッションやグルメなど、多彩な魅力を持つ都市です。
特に東京スカイツリーや浅草寺、新宿や渋谷などの繁華街、秋葉原や中野といった特定ジャンルに特化した街も観光客にとって欠かせないスポットとなっています。
東京は全国からの憧れの対象であり、その特異性が魅力度ランキングの順位を押し上げる要因となっているのです。
これは東京都の人口が増え続けていることからも、当然の結果と言えるのかもしれませんね。
そうですね。「東京に行ってみたい」と感じる日本全国の人が「東京は魅力がある」と回答するはずですからね。
神奈川県:豊富な観光地と海沿いエリアの圧倒的ブランド力
神奈川県は居住地としても観光地としても多くの魅力を持ち、横浜の「みなとみらい」や鎌倉の歴史的寺院、箱根の温泉地など、ブランド力の高い地域が数多く存在しています。
また都心へのアクセスが良好なため、神奈川県に住みながら都心で働くライフスタイルが可能です。この利便性が、神奈川県の住環境としての魅力を一層引き立てています。
市区町村別のランキングでは、神奈川県は関東7県の中で最も多い6市町が50位以内にランクインしています。
なお、箱根町を除く5市町は東京の通勤圏であり、ベッドタウンとしての機能も持っています。しかしベットタウンでも自らのブランド力でランキングを上げてしまう程、個の実力が高いと言えます。
そしてこれら5市町は全て海沿いに位置していることから、海の存在が神奈川県のブランドイメージを形成する要素として重要な役割を果たしていることが見てとれます。
まあ、正直言うと横浜も鎌倉も逗子も横須賀も、大半はタヌキ・イタチ・リスといった野生動物が生息する山間部で形成されてるんですけどね。
ワイルドさを隠しながらも、全国的に好印象を振りまいてるのが神奈川県なんですね。
魅力度ランキング2024がおかしい!:千葉の15位はなぜ?
埼玉県が関東最下位(46位)に沈むなか、千葉県が15位にランクインしているのはおかしい!と感じている人も多いのではないでしょうか?
なんとなく「ネズミさんの国」が影響しているような気がしますが、しっかり分析していきましょう。
エースで4番!三木君一人が強すぎる千葉県
まず、千葉県も埼玉県と同様に東京都に隣接し、東京のベッドタウンとして機能しています。
日本の玄関口である成田国際空港や成田山新勝寺、海の幸や自然を満喫できる南房総、マリンスポーツが盛んな九十九里浜など、魅力的な観光地が多く存在します。
温暖な気候から、都心からの日帰り旅行や一泊旅行で訪れる人が多く、観光業が盛んなイメージを持たれています。しかし千葉県と埼玉県の順位差がこれほど大きく開く原因となるのかは疑問です。
次に市町村別ランキングを見ていきましょう。市町村別ランキングで50位以内にランクインしている千葉県の市町村は浦安市(34位)のみです。
この浦安市といえば、そう。泣く子も喜ぶ「東京ディズニーリゾート」の存在です。
つまり「東京ディズニーリゾート」という、たった一人の「エースで4番」の活躍によって千葉県全体の魅力が大きく引き上げられ、結果としてランキングが15位に上昇していると考えられます。
浦安の涙と埼玉の誇り
しかし浦安市民から見れば、本当は「浦安ディズニーリゾート」と名乗りたかったのではないでしょうか。
なぜなら浦安は本来誇り高き漁師町。浦安という名前にプライドを持っていたはずです。
しかし東京のブランド力に頼るために「東京ディズニーリゾート」と名乗ることに耐え、こっそりランキングを上げようとしたのは浦安市民の涙ぐましい努力の表れです。
この選択は、名声を得るための苦渋の決断とも言えます。
一方で誇り高き武の民「埼玉県民」は東京の名声に頼ることなく、埼玉の力で勝負を挑もうとしています。この姿勢は、全ての埼玉県民が映画「翔んで埼玉」を観て涙した理由の一つかもしれません。
映画では埼玉県の魅力や独自性が強調され、埼玉県民の誇りを再確認させる内容が描かれています。
魅力度ランキング2024がおかしい!:埼玉を見くびるな
埼玉県が魅力度ランキングで最下位となり、多くの人が「おかしい」と感じています。
しかし埼玉県にはまだまだ魅力が詰まっています。この地域のポテンシャルを埼玉県の歴史から紐解いてみましょう。
ランキングは一つの指標に過ぎない
魅力度ランキングは、地域の魅力を測るための一つの指標に過ぎません。たとえ埼玉県が最下位という結果になったとしても、それが埼玉の全体的な魅力を正確に反映しているとは限りません。
ランキングは観光地の知名度や広報活動に大きく依存しているため、実際に魅力的な観光資源を持っている地域でも、認知度が低いと評価が下がることがあります。
実は全国に目を向けてみると、ビッグネームの観光地を多く有していても、ランキングが40位台にとどまっている県があります。
- 滋賀県(40位)
- 琵琶湖から彦根城、比叡山といった歴史的名所が豊富な滋賀県ですが、隣接する京都府(2位)の影響で地理的ハンデが大きく、結果は40位にとどまっています。
- 山口県(43位)
- 錦帯橋や秋芳洞、萩市といった有名観光地を有しながらも福岡県(6位)と広島県(16位)に挟まれており、地理的ハンデが大きいものと想定されます。
あの「ひこにゃん」を有する滋賀県が40位!?今までで一番多くの総理大臣を輩出している山口県が43位!?これは意外すぎます!
実は県民メンタルがバグってる埼玉県
映画「翔んで埼玉」は埼玉県を揶揄する内容でありながら埼玉県民に大変好評で、続編まで公開されました。これは一般的な見方で埼玉県民を捉えることがナンセンスである証明です。
かつて埼玉県の大部分は「武蔵国」と呼ばれ、その名は非常に力強い印象があります。関東のその他旧国名と比べても、武蔵国の名前は際立って強そうです。
埼玉県民の力強さは、埼玉県の名物料理を見るだけで、その雰囲気が伝わってきます。
さらに、さきたま古墳群や吉見百穴など、埼玉県内には多くの古墳が存在し、古代から文明が栄えていたことが伺えます。
しかし埼玉県には「何となくダサいイメージ」が根付いていることも事実です。しかしこれは埼玉県の文明を滅ぼした側の意図があるのではないか?とさえ感じてしまいます。
それでも、埼玉の「武の国」としての精神は現在でも息づいています。実際、このようなランキングに落ち込む埼玉県民はまずいないでしょう。
現在でも浦和レッズのサポーターが真っ赤な群衆を作る様子は、埼玉県民の武士としての誇りを象徴しているように見えてしまいます。
まとめ
埼玉県が魅力度ランキングで最下位という結果に多くの人が疑問を抱いていますが、埼玉には独自の魅力や歴史的な背景が豊富に存在しています。
この地域はかつて「武蔵国」と呼ばれ、強い文化的遺産を持っています。
また、力度ランキングはあくまで一つの指標であり、観光地の知名度や認知度に依存するため、実際の魅力を正確に反映しているわけではありません。
埼玉県には川越や秩父などの魅力的な観光地があり、これらを効果的にプロモーションすることで、将来的にはランキングが上昇する可能性もあります。
埼玉の「武の国」としての精神は今でも息づいており、県民が誇りを持ち続ける限り、ランキングに左右されることなく地域の魅力を再発見し、発信し続けることが大切です。
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